ごぼう茶の効能で便秘解消!正しい飲み方をしないと吐き気を伴う?
1.ごぼう茶の効能で便秘解消
不溶性食物繊維が豊富なごぼう茶
ごぼうは便秘に効果的なイメージがありますが、その理由は何なのでしょうか?また、ごぼう茶には、ごぼうと同じように便秘に効果的な理由があるのでしょうか?ごぼう茶には、ごぼうのようなあからさまな繊維質は見当たりませんが、きちんと不溶性食物繊維や、水溶性食物繊維などが含まれているので、その恩恵で便秘解消に効果があります。
便秘に効果的なことでポピュラーな食物繊維ですが、実は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の二種類があり、それぞれに特性があるのです。不溶性食物繊維は、水を吸うと何倍にも嵩(かさ)を増し、腸をお掃除しながら便を押し出す蠕動(ぜんどう)運動を促し腸の運動を活発にしてくれます。
くにこ
食物繊維の摂取は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のバランスが大事って聞いたことがあるけど、ごぼう茶は不溶性食物繊維が含まれているんだね!しっかり把握して、バランスよく取り入れないといけないねっ!
便が詰まっている場合に不溶性食物繊維は逆効果
しかし、腸がデリケートで傷つきやすい状態にある人は、あまり摂取しすぎると腸壁に傷が細かく付いてしまうのでおすすめはできません。腸壁の傷によりアレルギー症状が悪化したりする場合がありますし、もともと便が詰まってしまっている人は、不溶性食物繊維が便の嵩を増すために更なる糞詰まりに陥ってしまうこともあります。
そのような人は、便意があるのに出そうで出なくて、大きな便が出口を塞いでしまっている可能性がありますから、浣腸などで思い切ってつまりを取り除く必要があります。また、食物繊維がいまいち効かないとか、食物繊維によって便秘が悪化したりする場合は、ねじれ腸や落下腸の可能性があり、ねじれ腸マッサージや落下腸マッサージを行うことで腸の通り道が開けて便秘が解消するかもしれません。
ねじれ腸というのは、便秘に悩む日本人のおよそ八割もの人が抱えているといわれています。それから、いきんでいるのに出ないという場合、アニスムスと呼ばれる筋肉の使い方の異常も考えられます。アニスムスというのは、肛門をリラックスさせて自然に息むことができない人がなりやすく、便秘外来ではバイオフィードバック療法という訓練法も受けることができます。
けいれん性便秘の症状がある場合も不溶性食物繊維は不向き
また、けいれん性便秘の人は、腸の蠕動運動が強すぎて腸がひきつってしまうタイプの便秘なのですが、けいれん性便秘の人は不溶性食物繊維が刺激になり過ぎてしまい、けいれん性便秘を悪化させてしまうおそれがあるので、ごぼう茶のような不溶性食物繊維の多い食品は摂取しないほうがいいでしょう。
さて、不溶性食物繊維に対して、水溶性食物繊維というのは、不溶性食物繊維とは性質が異なり、水を吸うとゲル状になり老廃物や重金属やコレステロールなどの不要なものを包みながら腸に穏やかに移動し、柔らかく出しやすい便を生成します。
水溶性食物繊維というのは、果物に多く含まれていて、あとは海藻や一部の粘りのある芋など、ヌルヌル成分に多く含まれている成分です。それに対して、不溶性食物繊維というのは、豆類や野菜類、未精製穀物などに多く含まれている成分です。
● 不溶性食物繊維がたっぷりで、蠕動(ぜんどう)運動を引き起こす
● ねじれ腸患者、けいれん性便秘患者には不向き
2.ごぼう茶の飲み過ぎは体調不良の原因に
ごぼう茶には、若返り効果や、便秘解消効果や、ダイエット効果があるとの噂で、ごぼう茶の恩恵を得ようとしてガブガブと飲み過ぎてしまう人たちがいらっしゃいます。しかし、いくら体によい効果があると噂のごぼう茶でも、飲み過ぎは体調不良の原因になることがります。
アク抜きされていないごぼう茶の影響
何事も過ぎたるは及ばざるが如しで、ごぼう茶を飲み過ぎてしまい、胃がムカムカするのに悩まされたり、気持ちが悪くなったり、下痢に悩まされたり、貧血になったりというリスクがあります。ごぼう茶の飲み過ぎで体調不良になる原因というのは、ごぼう茶の製法により、アク抜きされずにごぼう茶にごぼうの持つアクが丸ごと溶け込んでしまっていることが考えられます。
ごぼうは昔から、調理する際にはアク抜きがされてきました。ごぼうのアク抜きをする理由は何でしょうか?アクというのはそもそも、苦みやエグミや渋みといった、人間が食べたときに美味しくない、不快だと感じる成分の総称です。アクの強い野菜には、ごぼう以外にもタケノコや、ワラビ、山菜、ほうれん草などがありますが、これらのアクの取り方が不充分だと、食べたときに気持ち悪さを感じてトラウマになるという人も結構いるようです。
また、単に食べて気持ちが悪くなるというだけではなくて、アクの成分を摂取しすぎると、結石や肌へのシミ、ソバカスなどの原因になるということも挙げられます。アクの成分には、摂取しすぎると結石の原因になるシュウ酸や、シミやソバカスの原因になるホモゲンチジン酸などが含まれています。つまり、アクとは、体に悪い成分なのです。ごぼうなどアクの強い野菜のアク抜きをするのは、そのような理由があったのですね。
サポニンによる吐き気や嘔吐
ごぼうに含まれるサポニンという成分があります。
サポニンという成分について、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?サポニンは、大豆サポニンで有名ですが、界面活性剤の作用があります。つまり、石けんのような泡立ち作用があり、昔は洗剤として使われていました。サポニンには溶血作用があるので、その影響で吐き気や嘔吐などが起こりやすいのです。
● ごぼうのアクによる胃のムカムカ
● アクの成分がシミ、ソバカスの原因に
● サポニンによる吐き気や嘔吐
3.ごぼうに含まれるサポニンには抗酸化作用も
ごぼうに含まれるサポニンは、摂取しすぎると先に述べたような体調不良を引き起こすこともありますが、適度に摂取すれば体にとって良い点もあります。それは、サポニンには強い抗酸化作用があり、脂質の酸化を防ぐ作用によって肝臓の負担を和らげるという効果も期待できるという点です。
さらに、抗酸化作用ということは体内の活性酸素を除去してくれる作用があるということですよね!活性酸素は万病の元といわれるくらいに病気の90パーセントの原因になっているといわれています。
癌も白内障も炎症性疾患も活性酸素が原因だといわれていて、実際に大量の抗酸化物質投与で症状が治った例もあります。それに、活性酸素はシミやシワなどの発生要因にもなりますし、肌の質を大いに下げ美容の面でも老化を進める張本人です。なので、サポニンは完全ながら悪者ではなく、適度に摂取すれば若返りに効果的な栄養素でもあるのですね。
4.正しいごぼう茶の飲み方
さて、ごぼう茶は飲み過ぎても身体に悪い作用があるということが分かりました。しかし、正しいごぼう茶の飲み方というのは具体的に一日にどのくらいの量を飲めば、便秘解消に効果的で、なおかつ体に害が無く体調不良にならないのでしょうか?ごぼう茶の摂取目安量は、一日一杯程度です。コップ一杯で、充分な食物繊維が摂取できます。
飲み過ぎると、食物繊維などの影響で腸が活発に働きすぎてしまって危険です。けいれん性便秘の人は、特に食物繊維の過剰摂取には気を付けましょう。それから、ごぼう茶には利尿作用があることも忘れるべきではありません。トイレの回数が増えてしまうので、仕事中や寝る前などには特に飲まないほうがよいでしょう。
● ごぼう茶の摂取目安量は一日一杯
● 利尿作用があるため仕事中や就寝前は避ける
● けいれん性便秘の場合は特に、過剰摂取に気をつける
4.まとめ
いかがでしょうか?ごぼう茶には、確かに健康や美容によい効果がたくさんあるのですが、サポニンやアクなどの体にあまり良くない成分も多く含まれているのも事実であることが分かりましたよね。最後に簡単にごぼう茶の特徴を振り返ってみましょう。
ごぼう茶の効能
● 不溶性食物繊維がたっぷりで、蠕動(ぜんどう)運動を引き起こす
● ねじれ腸患者、けいれん性便秘患者には不向き
ごぼう茶による体調不良
● ごぼうのアクによる胃のムカムカ
● アクの成分がシミ、ソバカスの原因に
● サポニンによる吐き気や嘔吐
ごぼう茶の過剰摂取は危険!一日の摂取量は一杯にしましょう!
ごぼう茶を飲み過ぎてしまい、かえって健康を害してしまうようでは元も子もないですから、適切にごぼう茶を利用しながら、便秘解消や美容、その他健康に役立てるとよいでしょう。