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「はじめての便秘」という敵は想像以上に大きかった 

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男性、35歳、接客・販売業です。ある朝6時半、目を覚ました私の脳裏をまず、よぎったこと。「しばらく出ていないな‥。もしかして、これが便秘というヤツか。」せわしく支度を済ませ、鞄を手に、一抹の不安を胸にその日も仕事へと向かいました。今朝感じた不安を考える余裕もなく、月末だったその日の午前中は慌ただしく過ぎて行きました。

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急な便意

その日のお昼。いつもより、いささか食べ過ぎた事に後悔の念を感じつつ、昼食を済ませ、午後の業務の開始です。お客様に商品説明をしている時でした。私の中の「あいつ」はその長らくの眠りから目を覚まし、今まさに、ゆっくりと動き始めたのです。僅かな「あいつ」の変化や挙動、その一挙手一投足さえも今の私には感じ取ることが出来ます。

便意とお客様

この感覚はひさしぶりです。手隙であれば諸手を挙げて喜ぶべき事態ですが、この時ばかりはそうもいきません。「来たか…。」目の前の敵と対峙するかの如く、いやしかし、今私の目の前にあるのはこの現実と大事なお客様。「便意」と「お客様」を天秤にかけるわけにも、逃げるわけにもいかないのです。

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お腹の中で一進一退

今の私は相討ちも辞さない覚悟を決めた侍です。「あいつ」がお腹の中で何らかの動きを感じさせる度に、私の額に広がる脂汗。寄せては返す波の様、もぎれそうな私のお腹とお客様との言葉の掛け合い。痛みという波が返るタイミングで、私は相手にセールスポイントを言葉という刀に込めて斬り込みます。

波が寄せるタイミングで「それがどうした」と言わんばかりに、さらに求められる詳細な商品説明。一進一退、そんなやり取りがしばらく続きました。一難去ってまた一難とはまさにこの状況。私には数十分もの長い時間に感じられたのと同時に、「永遠」の存在を信じかけた頃です。

額に汗する私を見て、熱意の汗と感じられたのか、はたまた私の必死な説明に、お客様に購入意思の兆しが見えてきたのです。「あと一押しで、いける。」そう確信を得た私にとどめの一押し。「あいつ」からの最終通告です。これ以上、私が抵抗するのならば「強制執行も辞さない構えである」とのこと。「ぐっ…。」

5日ぶりの便意の結果、、、

現実とは非情なものですね。「御免!」急な連絡が入ったフリをして、わざとらしく携帯電話を耳に当てながら、疾風の如くトイレへ一直線です。あの時の感情や光景はスローモーションの様に今でもまざまざと思い出されます。

私はさながら、一度抜いた刀を鞘に納めてしまった負け侍です。「無念。」トイレでの5日ぶりの便意、精神鍛錬の後、無我の境地で現場に戻った私を待っていたのは、鬼の様な形相をした上司でした。

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