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妊婦の便秘に薬が効かない?原因は子宮による圧迫かも。

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くにこ
妊娠すると便秘になりやすい体になるっていうけど、そもそも何が原因なの?
みさき
妊娠中に便秘が悪化したり、普段便秘にならない人が便秘に悩まされたりすることはよくあること。その原因はホルモンバランスの影響だったり、子宮による圧迫だったり様々だよ。
くにこ
妊娠中の便秘には薬が効かないって本当?
みさき
妊娠中の便秘に薬が効かないっていうよりは、妊娠時期や生活環境によっても便秘の原因が異なるから、しっかりと原因の解消に合った薬を服用しないと効かないよ。

くにこ
妊娠中の便秘にどんな原因があるのか、詳しく教えて!



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1.妊娠すると便秘になりやすくなる原因

(1)ホルモンバランスの変化

妊娠すると便秘になりやすくなったり、悪化しやすい体になります。それは、妊娠した時に赤ちゃんが子宮の中で成長できるような環境を維持しようとする「プロゲステロン」という黄体ホルモンが急増し、このホルモンによる働きが便秘の原因のひとつになります。ここで「プロゲステロン」の働きについて一部を紹介したいと思います。

1)受精した受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠が確定して、プロゲステロンが増加し、受精卵が居心地が良くしっかり子宮内膜に居続けられるように子宮内膜に厚みを持たせるように働きます。そのために、母体の基礎体温を上げます

2)赤ちゃんが成長するために、母体に水分を保持させようと働きます。赤ちゃんに必要な血液や水分を送るように大脳に信号を送るのも「プロゲステロン」の働きです。それによって、腸壁から便の水分を吸収する働きも行われます。

3)子宮が収縮しないように、子宮やその周辺の胃や腸の筋肉も同じように機能が低下します。そのため、便を排出するぜん動運動の働きが弱くなり、便がなかなか動かなく停滞しがちなので、便秘になりやすくなります。

4)その他にも、乳腺を発達させたり、肌の保湿を促してくれます。

このように、妊娠を継続させるために沢山の働きをしてくれることで、小さい受精卵が子宮内で大切に守られているのですね。人間の体は自分の意思とは関係なく赤ちゃんを守ろうとすることに、とても神秘的だと感じざる負えません。

しかし、上記の2)と3)の働きによって、便秘になりやすい原因があります。2)は、約80%水分を含んでいる便からも、赤ちゃんの為に腸壁からその水分を少しずつ吸収して便が硬くなりやすいです。

3)は、便を大腸のぜん動運動によって肛門へ運びますが、その大腸の筋肉の動きも低下してしまうので、便の動きが大幅に遅くなります。その為、便が長時間腸内に停滞することで腐敗が進み、有毒ガスを発生し、ガスが腸内に溜まってお腹が張り、痛みを伴うことにもなります。

(2)子宮による圧迫

赤ちゃんが子宮の中で成長するとともに、子宮も大きく膨らんでくるので、その膨らみで腸が圧迫されてしまいます。その為、便の通りが狭くなり、便が動きにくくなります。

(3)水分不足

妊娠すると自分の水分プラス赤ちゃんの為の水分や羊水など、必要な水分量が多くなります。しかし妊娠中に水分不足になると、血液がドロドロしてしまい、うまく赤ちゃんに栄養が行きにくかったり、お母さんの体にだるさや疲労感が出やすくなります。

脱水症状にまでなると、二人の命が危険に及ぶので、十分な水分補給が必要になります。便も約80%が水分なので、水分不足になると、便が硬くなりやすく、余計に便秘がちになります。

(4)運動不足

安定期に入るまでは、運動はなるべく避けるようになり、なかなか動かないので腸に刺激を与えられないことが原因の一つと言えます。

(5)つわりや食べつわり

つわりで食べれなかったり、食べれるものだけでも食べるという偏りが生じてしまうので、便が硬くなりやすいです。他にも、食べつわりで、甘いもの、お肉など沢山食べてしまうので、便秘になりやすいです。



2.妊婦さんが安心してできる薬以外の便秘解消法

(1)水分補給

妊婦さんの1日の水分摂取量は約2Lです。これは、食事に含まれる水分は入らない、食事以外の水分のことです。水分は、夏のような暑いときにのどが渇きやすくなるので、夏場は水分をたくさん摂れるかもしれませんが、夏場以外での水分摂取は、かなり意識的に摂取しないと2Lは簡単ではないと感じる方も多いと思います。

なので、水分を摂るタイミングを決めておくとよいかもしれません。起床後、食前30分前、外出前後、運動前後、入浴前後、就寝前などなど、自分のタイミングで飲みたい時間を決めておくと摂取しやすくなると思います。沢山水分を摂るので、何度もトイレに行くのは大変ですが、便秘改善が赤ちゃんと母体のために必要なので、ぜひ積極的に水分補給して下さい。

(2)便秘に良い食事

腸内環境が悪くなっている間は、悪玉菌が優位になっていますので、悪玉菌のえさとなるお肉中心の食生活や、甘いものの摂りすぎなどには注意しましょう。そして、腸内環境を整えるために、善玉菌のえさとなる、食物繊維、乳酸菌やオリゴ糖などが豊富に入った食品をよく摂るようにしましょう。

食物繊維は、大きく2種類に分かれていて、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に分かれています。不溶性食物繊維は、便の量を増やすための食物繊維ですが、もともと便秘もちの妊婦さんの便の場合、かなり硬い便になっているので、この食物繊維を沢山摂ると、余計硬くなる可能性があるので、便を柔らかくする水溶性食物繊維の豊富な食品を摂取すると良いです。

水溶性食物繊維が豊富な食品:海藻類、果物類、野菜類
≪海藻類≫寒天、ひじき、めかぶ、わかめ、もずく、昆布など
≪果物類≫キウイ、バナナ、りんご、レモン、いちごなど
≪野菜類≫アボカド、オクラ、モロヘイヤ、こんにゃくなど
過剰に摂りすぎると下痢になるとのことですが、便の様子を見ながら、食べるようにして下さい。

(3)軽い運動

妊婦の時の運動といえば、ウォーキングです!安定期に入って、体調が良い日は外に出ると気分転換にもなりますし、リフレッシュできるので、ぜひ毎日外に出て、歩きましょう!両足を交互に上下させることで、腸に良い刺激を与えますし、有酸素運動になるので、母体の血液循環が良くなって、赤ちゃんにより新鮮な酸素を送ることができます。

(4)適度ないきみ方

もともと便秘の方は、妊娠するとかなり硬い便になるので、強くいきみたくなりますが、強くいきむと切れ痔になったりして、座ると激痛が走るなど生活により支障をきたしてしまいます。その為、ゆっくり息を吐きながら、いきんでみて下さい。肛門に負担がかからない、適度な力が加わるようになります。



3.まとめ

(1)妊娠すると、もっと便秘がひどくなる原因
●赤ちゃんを守ろうとするホルモンの働き
●子宮の膨らみによる圧迫
●水分不足になると、便が硬くなる
●運動不足により、腸に刺激がない
●つわりや食べつわりで、食事が偏ってしまう

(2)妊婦さんが安心してできる便秘解消法
●水分補給・・・約2L飲むようにしましょう!
●便秘に良い食事・・・食物繊維、乳酸菌やオリゴ糖などが豊富に入った食品を摂りましょう!
●軽い運動・・・ウォーキングが最適です!
●適度ないきみ方・・・強くいきむと切れ痔などになるので、息を吐きながらいきんでみて下さい!

みさき
自分の便秘の原因を解明することで、薬に頼る前に、原因に合った方法で便秘を解消できるようになれるといいですね!






-妊娠中と産後の便秘


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